人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

音楽

ひなまつりと第4四半期のスピード感

この辺りは田舎なので、ひなまつりは月遅れ。 もともと農業の関係で旧暦の節句にあわせていたんだと思いますが、うちは、やる気のある年は3月、そうでない年は先送りして4月。 今年は受験や何かでドタバタしていて旧暦を採用。 年をとると一年が速いなんて言…

桜と静心

この辺りも、もうすぐ桜が開花するそうです。 この長雨が止んだ頃かな。 咲いたら、「あ、咲いたな」 散ったら、「あ、散ったな」 ただ、ありのままを淡々と受け止められるどっしりとした人になりたいのですが・・・。 実際は、特に理由も、することもないの…

「無力」さの逆転 一羽の鳥について

身長以外、ことごとく娘に追い抜かれるこの頃。 科目の中で自信をもって教えられるものは、英語と古文くらいになってきました。 あとは、自力で何とか頑張れ!。 それでも高校生になるので、そろそろ教えておきたいものがあります。 一つは経済の基本。 もう…

地球最後の日に慌てて聴く 甘いプレイリスト

物心ついた時分から、「明日、東海地震が起きてもおかしくない」と脅かされ続けてきた静岡県民としては、備蓄を怠るわけにはいきません。 水とかカップ麺とかカロリーメイトとか。 カロリーメイトはすぐ食べちゃいますが(笑)。 地震や何かだったら避難しま…

ゼームス坂と智恵子さんのレモン

30代のおよそ10年間は東京の大井町(京浜東北線)に住んでいました。 南品川のゼームス坂沿いにあるマンション。 何だか失われた10年のような期間でした。 元々ぎりぎりバブル世代なのですが、30歳手前でキャリアをリセットして、20代を無かったことにしてし…

「うたのおにいさん」の「本当は・・・」を、ずっと考えていた

(お金をとる)放送局に勤めていた20代。 自分には不向きな世界でストレスだらけだったけれど、ただ一つの癒しのお仕事、 「おかあさんといっしょ」 子ども達の笑顔に、自分の汚れた心が洗われていくようでした。 あまりそんな機会は無かったのですが、一度…

最後の授業参観と成長のドア

今日は最後の授業参観。 幼稚園の頃から中三までの12年間。 たくさんの思い出がぐるぐる巡って、廊下で倒れそうになりました。 様々なことがひとつずつ静かに終わっていきます。 何か新しく始めないと、このまま何もかも終わってしまいそう。 この土地にこの…

早春のソネット 浅き春に寄せて

立春ですね。 うちには受験生がいることもあり、春はまだまだ先。 それでも時折空気が温む瞬間があって、季節が進んでいることを感じます。 早春です。 年齢を重ねるごとに好きな季節が変わってきました。 ずっと若い頃は夏。 花粉症になってからは、春が苦…

もう一度逢いたい

昨年、旅先でふらっと寄った八代亜紀さんの作品展。 油絵も素敵だったのですが、書道の迫力にも感激しました。 特に会場の奥に展示されていた「舟唄」。 八代亜紀さん以外、他の誰にも書くことのできない「舟唄」。 唄声が聞こえてくるような唯一無二の存在…

雨の国の屋根の家

その敷地にどんな屋根を浮かべたいか。 そこから考えます。 堅牢かつ軽量で美しい屋根。 形状・素材・性能・軒の出。 もし2階建であれば、その屋根の荷重を支える2階の設計をします。 それから、屋根と2階の荷重を支える1階の設計をします。 その後、そのす…

風信子の家 4.3坪の夢

自宅は経済の事情で小さな平屋になるようで、設計をしていた10年ほど前、古今東西の「小さな家」研究を随分としました。 同時代のもの、特に戦後の日本は物資の不足や土地の狭さなどもあり、それは一つのジャンルのようなものを形成していて、有名建築家の実…

イツモシヅカニワラッテヰル

年老いた両親は日ごと子どもにかえっていきます。 毎週、娘の顔を見せに行きますが、ただいつも静かに笑って、こちらの体の心配なんかしています。 もとは、二人ともなかなか厳しい人で、私とは衝突続きでした。 「二度と敷居をまたぐな」とか「葬式にも来る…

悲愴感に沈んでしまわないように

放っておいたらどこまでも沈んでしまいそうな時には、古の諸先輩方のことば達に耳を傾けます。 どこか疼いたとしても、いつかは思い出に変わる時が来るのかもと思えれば、なんとかやっていけます。 百人一首 68番歌 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しか…

左利きの風来坊

スプーンを持つのも、 お絵かきするのも、 ボールを投げるのも、 打つのも、 蹴るのも左。 小さな娘のそんな姿を見て心が躍りました。 私は右投げ右打ち。 (ある調査※によるとメジャーリーガーの63%が右投げ右打ち) 娘は左投げ左打ち。 (同調査では16%…

恋しい家こそ 私の星空

家について あれこれと七面倒なことを時々言ったりしますが、 本当は何でもいいと思っています。 木造でも、鉄骨造でも、RC造でも 外断熱でも、内断熱でも 屋根は切妻でも、寄棟でも、片流れでも 壁は白でも、黒でも 持ち家でも、賃貸でも なんでも、人それ…

満月は欠けているけれど

今夜は、ふたご座満月。 アメリカの農事暦ではビーバームーンと呼ぶそうですね。 ビーバーを捕まえるワナを仕掛ける時期という説、ビーバーがダムをつくり始める時期という説、様々あるようです。 お天気はどうかな。 月は美しいですね。 この世で最愛のもの…

The Show Must Go On

眼の具合が悪く、すべての作業はお休み。 朝早くからクイーンのアルバムを聴いていました。 ファーストアルバム、QUEENの一曲目「Keep Yourself Alive」からフレディ生前のラストアルバムINNUENDOの「The Show Must Go On」まで順に、途中ライブアルバムやフ…

ゆきのうた 静岡県民の見果てぬ夢 

静岡の真ん中あたりにある海辺のまち。 砂漠に雪が降ったとしても、ここには降りません。 ひと冬に数回、「風花」の舞う日はあります。 そんな日はみんなで表に出て、手をひろげ、「雪だよね!これ雪だよね!。」なんて言いながら、無理やり「雪」ということ…

「深夜に聴く曲は速い」問題

深夜にふと目が覚めて、あるいは起き抜けの早朝、手元のラジオやスマホで音楽を聴くと、すごくテンポが速いですよね。 ・・・・・速くありませんか。 ・・・・・ここは、一旦速いことにして・・・(笑) ただ仲間が欲しいだけの人。 ずっと昔からそのようで…

悲しい時にそっと始まった家づくりがありました

ハウスメーカーさんのCMは夢に溢れていますね。 若いパパ、ママと可愛いお姉ちゃんと弟さんが白い朝日を浴びて幸せそうです。 実のところ、家づくりは思ってもみなかった困難に直面したりして、つらいこともあったりします。 ですから、出会いから引き渡しま…

戦争の親玉 化学反応を起こした「逆替え歌」

「メロディーはそのままで歌詞を替えて歌う」のが替え歌ですが、その逆の、「歌詞はそのままでメロディーを替えて歌う」のは何て呼ぶんでしょうか。 それも替え歌なんでしょうか。 逆替え歌かな?。 そんな「逆替え歌」の傑作が、レオン・ラッセルの「戦争の…

あのクリスマスソングはもう響かない

この夏、自分のなかでは大きな事件があって、子どもの頃からのアイドル、憧れていたミュージシャンのリスナーをやめました。 40年以上の時間とたくさんの思い出。 そんな日が来るなんて思ってもいなかったけれど、一瞬のことでした。 「推し」という言葉もあ…

ニュースから一旦離れて、自分のご機嫌取りを

うちはテレビがないので、マスメディア的なものはラジオのみです。 夕飯の時など、ラジオをつけているのですが、恐ろしいニュースがはじまると速攻でパチンと消します。 愛川欽也さんの「ハイ、消えた!」(「なるほど!ザ・ワールド」より)並みに速いかも…

光のオルガン  宮沢賢治「告別」

うっかり醜悪な茶番をみてしまいました。 記者会見とされてはいましたが、 確かにそれは茶番劇でした。 楽しいこと、美しいもの、 音楽とかエンターテインメントってなんだっけ・・・。 すっかり具合が悪くなってしまいました。 これが嫌でテレビを捨てたの…

気があること まだ知られたくない  平 兼盛

百人一首関連の逸話でよく紹介されるものに、 天徳4年(960年)、村上天皇の内裏歌合(だいりうたあわせ)のエピソードがあります。 平 兼盛(たいらのかねもり)の「忍ぶれど・・・」 壬生忠見(みぶのただみ)の「恋すてふ・・・」 この2首が競ったとき…

トレジャー・ヴォイス  松本伊代さんのセンチメンタル・ジャーニー

先日、近くで松本伊代さん、早見優さん、森口博子さんのコンサートがあったので行ってきました。 いかにも「ふらっと寄ってみた」みたいに書いてますが、チケット発売日の発売時刻に時報を聞きながらenterキーを叩いて予約しました(笑)。 知り合いに見つか…

色・サクラブレンド 光のどけき春の日に

ようやく朝晩の風に秋の気配を感じるようになってきた今日この頃。 春のうた、桜のうたの話題は季節外れも甚だしいのですが、紀友則の桜の名歌に音をつけてみました。 考えてみたら、今年の春、百人一首のなかの春のうたにあわせて曲を作る作業を集中的にや…

ふりゆくものは わが身  帰り道のうた

夏の疲れや何かでぼんやりしており、図面も描かずに、いつも読んでいる百人一首の本を眺めたりしていました。 百首のうたは大きく、「月のうた」や「春夏秋冬のうた」、「恋のうた」などと分類できますが、「花のうた」もいくつかありますね。 夏から秋に向…

月のうた

未だに月の運行システムを理解しておりません。 のんきにお月見などしていますが、昨夜あっちにあったのに、今夜はこっち!などと、その都度驚いています。 奥様も同様のようです。 一度理科の教科書を読めば済む話なのですが(笑)、ここは月の神秘として、…

月前の恋

「今はもう秋」ということにさせていただきました。 月を愛でたりなどしています。 気づけば虫の声。 ラウドな蝉丸たちも輪廻の輪に帰っていきました。 もう秋なので、「月のうたのうた」をつくろうと思いました。 西行法師の「嘆けとて」。 特に季節は示さ…