人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

春の野 若菜 雪   透明度の高い清新な一首

百人一首歌人として登場する天皇の中で、誰より親しみを感じるのは光孝天皇

9歳で即位した先帝の陽成天皇と比べると、はるかに遅い55歳での即位です。

それだけ親王時代が長かったということですが、大変質素な暮らしをしていたようで、自炊をしていたとも伝えられています。

即位してからも、その頃の苦労を忘れないように、自炊をしていた部屋をそのままにしておいたというエピソードもあるようです。

また自分の子どもたちが皇位につかないように、すべて臣籍に降下させたとのこと。

頭が下がります。

 

このうたは、不遇の時代でもあった親王時代に詠んだものです。

 

君がため

春の野に出でて

若菜摘む

わが衣手に

雪は降りつつ


心優しい親王が大切な人のために、降る雪も気にかけず一心に若菜を摘んでいる情景が目に浮かんでくるような、透明感のある愛おしいうたです。


これも奥様に朗読してもらって、音を添えてみました。

詠われている季節はもう少し先なのですが、アレンジしていたらクリスマスっぽくなってしまいました・・・。

www.youtube.comちょこっと入れたギターを後で聴いてみたら、「虹伝説」の頃の高中正義さんっぽくなっていました。(マニアックですみません)

中学生の頃、一生懸命耳コピしたのが指に残っていたような感じです。

「中2の魂百まで」とでも言ったらいいのか、普段、全然違うジャンルのギターを弾いていても、マイケル・シェンカーやリッチー・ブラックモアやランディー・ローズ達が顔を出します・・・。