人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

緑の儘に

家を建てるために土地探しをしていた頃。


並木の綺麗な通りがあって、こんな所に住めたらいいなと思って売地を探していました。

 

ところがある日、その並木が一本残らず伐採されていました。

 

不動産屋さんに訊くと、落ち葉の掃除でみんな困っていたとのこと。

「綺麗な並木だったのに・・・」

素直な気持ちを伝えたら、若干不機嫌になり、「じゃあ掃除してくれるのか」くらいの勢いで、「わきまえた」(これが苦手です・・・)大人の理屈を説明してくれました。

 

また、別の不動産屋さんと、ちょっとした宅地開発について話しているなかで、もう少し緑地を残したり、住民の皆さんが土に触れられるスペースがあったら・・、という話をすると、苦笑いしながら「こっちも商売だからねえ」と言われました。(ドラマや映画以外の現実世界ではじめてこのセリフを聞きました・・・。)

きっと、「なに青臭いこと言ってやがる」くらいの気持ちだったんでしょう。


2人を責めるつもりはありません。

確かに「商売」だから、当然かもしれません。


そうだとしたら、緑を残すことに高い価値が認められる、緑に溢れている方が「商売」になる社会になればいいんだと思います。

 

これは業者さん側ではなく、私が問われている問題。

100年単位の時間をかけて醸成する、文化の問題なのかもしれませんが。

 

私のような、場末の文系建築士に何ができるのかと気が遠くなる気もしますが、「ハチドリのひとしずく」を淡々と続けていくほかありません。

 

「自分のデザインする一軒から、街並みを変えていく」

これを、地道に実行していく「行動する人」でありたいなと思います。

 

何回目かの、新年(古代バビロニア暦)の抱負になってしまいました・・・。

護られた神宮の森の樹々が

タイムラプスの映像のように

縦横に枝葉を伸ばし

街を覆い

子ども達の歓声が響きわたる


そんな願いを込めた15秒のPVが制作できたらいいなと思ったのですが・・・、映像はつくれそうにないので、その音だけつくってみました。

誰か映像をつくってくれないかな・・・。

いろいろと動揺している頭の中で鳴っていた音を、忘れないうちにと慌てて記録したので、何だかわかりにくい変な拍子になってしまいました・・・。

youtu.be