ひと頃よりは減ったような気がしますが、黒いガルバリウムを張った新築住宅をよく見かけます。
うちも遠目には黒ガルバリウムのようにみえますが、無垢の杉板を張って黒く塗装しています。
杉板は150×15の縦張り。押縁でおさえています。
「焼杉ですか?」と何度かきかれたことがあります。
焼杉も考えたのですが、焼くのが面倒なので(笑)塗装にしました。
いずれにしても、黒い外壁は深い軒の陰と相まって、壁の存在を消してしまい、木々の中に屋根だけが浮かんでいるような状態になります。
これは、狙っていた通りの効果で、誰もほめてはくれないのですが(笑)自分では、かなり気に入っています。
西日に照らされる部分がだいぶ退色してきたので、梅雨入りする前に塗り直しです。
使っているのは「渋墨」という、柿渋に清酒や醸造アルコール、松煙を混ぜたもの。
ほぼ、お酒です。
私はお酒にとんでもなく弱く(ビールを2~3杯飲んで救急車で運ばれたことがあります・・・笑)、塗っていると少し酔ってくるので、手早く作業を済ませます。
刷毛だと垂れたり、塗りすぎたりしてしまいますので、スポンジのこてが便利です。
塗装直後は塗りムラが見えますが、乾くとわからなくなります。
4~5日、ほんのりとお酒の香りがするので、人によってはいい香りの家になっているかもしれません。
元気がある時は、仕上げに亜麻仁油を塗ったりするのですが、今回はパスしました。
メンテナンスはそれなりに必要ですが、無垢板の外壁は年月を経るごとに味わいが増してくるような気がします。
地域によっては法律的に難しい場合がありますが、設計上の工夫で可能になることもありますので、もし無垢の板張りの家をお考えであれば、一度お近くの建築士や管轄の担当部署に相談してみてください。
時々忘れるのですが(笑)、私も建築士でした・・・。