人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

「ルックバック」 背中越しの未来

藤本タツキさんの「ルックバック」を読みました。

珍しく家族3人で回し読み。

映画は見ていません。

大変なことになりそうなので、たぶん見ないかな。

 

読後、猛烈に机に向かいたくなります。

娘は「マンガを描きたくなった」って言ってました。

もともと描いてるんですが。

自分も眼がこんなにポンコツでなければ、住宅一軒分、詳細図も含めて80枚くらい一気に描いてしまいそうです。

「ルックバック」だから、ある年齢以上の人にとっては過去を振り返って、何かしらの痛みを感じることにもなるのかもしれませんが、自分の場合、反応は娘と似たようなもので、思っているより気持ちは若いのかもしれません。

作品中、何度も印象的に描かれる「背中」のカット。

目に映るのは、背中越しの未来。

ルックフォワード、ルックアヘッドと言ってもいいような、強烈な前へのベクトルを感じる物語でした。

 

今は思うように図面を描けないので、机に向かうというよりは、ギターを抱えてピアノに向かいました。

ピアノはろくに弾けなくて、自分とピアノの間にはギターの通訳が必要です。

きっと、謎の背中です。

 

小説やマンガを読んでいると、いつも勝手にサントラが流れています。

この「ルックバック」も同じで、マンガには存在していないエンドロールにも音楽がついていました。

それをピアノで再生したいのです。

見た夢を朝、忘れないうちに書き留めるように(頭を揺らすとすぐ忘れます)、なんとか思い出せればいいなと思います。