人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

まてどくらせど

「夢二式美人」美人画で知られる画家・詩人の竹久夢二

本の装丁や広告、雑貨や衣類のデザインなども数多く手掛けていて、今風に言えば、グラフィックデザイナーですね。
こういう多才な方に憧れます。

画像は国立国会図書館 NDLイメージバンクからお借りしました。 

 

その竹久夢二の3行詩「宵待草」の朗読音源をつくりました。

宵待草
竹久夢二

 

まてどくらせどこぬひとを
宵待草のやるせなさ 

 

こよひは月もでぬさうな。

 

「宵待草」には原詩があります。

遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな

この原詩は、1912年(明治45年)雑誌「少女」に発表。
翌1913年(大正2年)、3行詩の形で絵入り小唄集「どんたく」に掲載されました。
これに多忠亮が曲をつけ、その憂いを帯びた美しい歌は今も歌い継がれています。

名曲です。


朗読音源を作る際、この詩にメロディーをつけることも一瞬考えましたが、この名曲を思うと、やはりそれは畏れ多く、シンプルな朗読を自前の曲にのせました。

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多忠亮 作曲の「宵待草」

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