人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

宴たけ宣言と三幕構成

私は、お酒を一滴も飲めません。

昔ビールを2~3杯飲んで救急車で運ばれました。

サイレンの音は微かに聴こえたのですが、

朝、意識が戻った時には病院のベッドの上。

 

山の中の小さな病院でした。

窓から白い光が差し込み、

樹々の梢からは小鳥のさえずりが。

ディズニーのプリンセスになったみたいでした。

両腕に点滴が刺さっていましたが(笑)。

そんな走馬灯。

 

そういう具合なので、宴会では「お前しらふだろ」、ということで

会の進行やら会計やら諸々雑用がまわってくる羽目になります。

お酒が入るとやや荒くれる皆様に囲まれていました。

宴会は収拾がつかない状態になりがち。

そのうち、一旦、中締めが必要なタイミングがやって来ます。

そんな時には終始冷静な自分が、

「え~、宴もたけなわですが・・・」

という「宴たけ宣言」を発出して、強制終了させます。

そして、二次会へ。

そして、その繰り返し・・・(泣)。

 

前置きが長くなりましたが。

景気循環でいったら、「クズネッツの波」くらい、

20~30年周期で、

自分の中にいる「賢人」のような人(白い髭をたくわえている)が、

その「宴たけ宣言」を高らかに発することがあります。

 

20代の終わり頃にそれで一度、衝動的に辞表を出しました。

そしてもう2~3年したらそろそろかなと思っていたら、

先日、突然「え~、宴もたけなわですが・・・」が脳内で響き渡りました。

収拾がつかない状態をリセットする「宴たけ宣言」

 

眼の状態が悪化したこともあるのかもしれませんが、

もやもやを断ち切らないと前に進めない、

それをよく知っている賢人さんー直観のようなものー、が

私を操縦しているような気がします。

 

自分でも何故そんな事をしているのかわからない

そんな時はその直観に素直に操縦されてしまおう。

意味はそのうちわかるかな。

 

長いこと加入していた業界団体と協会の退会手続きを準備しています。

お世話になりました。

世間的なかたちとしては、一旦廃業に向かうことになります。

でも、新しく始めたいことが山ほどあって、楽しみでしかありません。

一級建築士であることは変わらないので、

場末の文系建築士として、

建築にも今までとは違うかたちで向き合っていこうと思っています。

むしろ、幅がひろがりそう。

 

あの、意識が戻った朝の白い光のように、希望が差し込んできます。

 

「発端」・「中盤」・「結末」

「設定」・「葛藤」・「解決」

ハリウッドの脚本にある「三幕構成」のようなものかもしれません。

一幕目も二幕目も自ら強引に下ろしました。

これから三幕目。

新しい宴。

どんなエンディングに向かうかはわかりませんが、楽しみです。

 

家族の皆様の深い理解に感謝。