人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

文芸

花の色は

大変ご無沙汰しております。おかわりありませんでしょうか。 年明けからどうにも体調が悪く、3ヶ月ぼんやりとしておりました。 昨年後半の記憶がすっかり飛んでしまったり、本を読んだり文章を書いたり、まるでできなく、どうしようかと思っていましたが、家…

何と云はれても

今年の終わりに、宮沢賢治「何と云はれても」の朗読音源をつくりました。 未発表の作品群、「詩ノート」とも呼ばれるものの中に含まれている詩で、あまり有名なものではないかもしれません。それでも、「雨ニモマケズ」と並ぶ、宮沢賢治のマニフェストのよう…

ゆきのうた

何がどうなっても雪が降らない地域に住んでおりまして、ですからそれには大変な憧れを持っています。 年に数回、風花っぽいものが舞ったりしますが、それで大騒ぎします。 長いこと東北・北海道に住んでいましたので、雪とつきあう事の大変さは身にしみてい…

新時代のコペルニクスへ 新たな詩人へ

昭和百年だなんて浮かれていたら、年の後半は災難や不幸が続いてすっかり意気消沈していました。 ただ、いつまでも下を向いているわけにはいきませんので、今年のうちに前を向いて歩き出そうと気持ちを切り替えることにしました。 いつも心を奮い立たせてく…

そのとき風がどうと吹いて来て

リハビリに短い朗読音源をつくっています。宮沢賢治「風の又三郎」冒頭の四行詩の部分だけ朗読を録って、音楽にのせました。「どっどど どどうど~」のところです。ちょっと変わった朗読です。何だか、変なものしかつくれなくなってきたような・・・。 音は…

自分以外みな偉い

このくらいの年齢になってきますと、古い友人や同期だった仲間、年の近い先輩後輩などの活躍ぶりをよく見聞きします。 研究者、起業家、有名なアナウンサーや映画監督、某政党の幹事長。以前は、自分も頑張らないとなんて思ったり、少しうらやましかったりし…

虹でございました

大変ご無沙汰しております。 お変わりありませんでしょうか。 長い夏の間に体調を崩してしまい、随分お休みしてしまいました。 リハビリのつもりで少し書いています。 夏の終わりの大きな出来事は、竜巻でした。 史上最大と言われる竜巻がこの町と隣町を襲っ…

十五の心 15の夜

石川啄木の短歌「十五の心」(「不来方の」)の朗読音源を制作していました。 この短歌は、第一歌集『一握の砂』に収められた、三行・分かち書きの作品です。 不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸われし十五の心 十五歳という微妙な年齢に宿る、…

こどもが守られる世界

以前つくった「雪」の朗読音源の音が気に入らなくて直していました。 雪三好達治 太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。 たった二行の美しい詩。短さ故に様々な解釈ができますね。 太郎と次郎は兄弟で、一つ屋根の…

空から降るものは

どうにも諦めが悪く、一昨年つくった音源をしつこく直しておりました。 何となくしっくりこなくて、アレンジを変えて朗読の背景に使ったりしましたが、元の形に戻そうと思い、詩を一部書き直し、いくつもトラックを足してつくりました。 遠い国の、戦火のな…

林檎のイノセンス

折り返し地点を過ぎた帰り道みたいな日々なので、これまで捨ててきたものを拾い集めたり、その答え合わせのようなことをしたり、そんなことをしがちです。 これは、もしかしたら「ミッドライフクライシス」の症状なのかもしれません。 過去、特に十代に置き…

まてどくらせど

「夢二式美人」の美人画で知られる画家・詩人の竹久夢二。 本の装丁や広告、雑貨や衣類のデザインなども数多く手掛けていて、今風に言えば、グラフィックデザイナーですね。こういう多才な方に憧れます。 画像は国立国会図書館 NDLイメージバンクからお借り…

祇園精舎の鐘の声

20代の終わりに、昭和生まれの若者らしく、仕事を辞めインドを旅しました。当時も今も自分のアイドル、ブッダ(出家前はシッダールタ)の生誕から入滅まで、ゆかりの地を巡る旅でした。本当の聖地巡礼です。 祇園精舎にも立ち寄りました。そこは遺跡を含む歴…

人と栖と ずっと鴨長明先輩の背中を見ていました

10代で出会って以来、「方丈記」とは長い付き合いになりました。 ずっと、鴨長明先輩の背中を見て、知らずに随分と影響を受けてきた気がします。 建築、特に住宅の設計を始めてからは、後半の方丈の庵について記された部分を繰り返し読みました。建築家の書…

市井に住むこと 太宰治「市井喧争」の朗読音源をつくりました

ご無沙汰しております。 気候も良くなり、少し大柄な猫の額ほどの庭作業など始めました。花粉の時期もようやく終わり、しかも外であまり蚊にさされないという、ごく短い、有り難い季節です。 下手な剪定などしていますと、ご近所の先輩方に時折声をかけてい…

すきとおったほんとうのたべもの

ご無沙汰しております。 宮沢賢治「注文の多い料理店 序」の朗読音源をつくっていました。 この「序」は、宮沢賢治の初めての、結果的には唯一の童話集「注文の多い料理店」の冒頭に綴られているものです。 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はら…

うつり香がうすくなってゆく 「うつり香の」清原元輔

久しぶりに和歌の朗読音源をつくってみました。 もともと百人一首の和歌に音をつけてみようと張り切って始めたものの、20首つくったところで早くも息切れして、長いこと止まっていました。 百人一首はもちろん名歌揃いなのですが、あまり自分の好みに合わな…

負けた。これは、いいことだ。【朗読】太宰治「黄金風景」

一昔前、「勝ち組」「負け組」なんていう嫌な言葉が流行った事がありました。 勝っている自覚のある人たちが、つくって流布した言葉でしょうか。 自分はそもそも勝ったことがないので、そちらの方面の心持ちは想像もできないのですが、ずっと負けていようと…

帰ってきた座敷わらし【朗読】宮沢賢治「ざしき童子のはなし」

大変ご無沙汰しております。 ここのところ、宮沢賢治「ざしき童子のはなし」の朗読音源をせっせとつくっておりました。 以前、座敷わらしの姿が見えなくなったという記事を書きました。 akekurenote.hatenablog.com あの子が戻って来たのは昨年の夏のことで…

ひとにはひとのクラムボン 「やまなし」宮沢賢治

仕事というわけでもないのですが、仕事納めで一つ朗読の音源をつくりました。 宮沢賢治の「やまなし」。 神秘的、幻想的で、美しく可愛らしい珠玉の物語です。 「クラムボンって何でしょう」 小学生の時、国語の先生からきかれて、みんなで話し合ったような…

百人一首から選んだ十首 私のプレイリスト【10分で十人一首】

百人一首。 これは、言ってみれば「藤原定家のプレイリスト」※だと思うんですが、その中から、十首選んで私のプレイリストをつくりました。 そして、その十首をオリジナル音源にのせて、一つにつないでみました。 【私のプレイリスト~10分で十人一首】 A…

燃える火の物語 宮沢賢治「よだかの星」

大変ご無沙汰しております。 読んだり書いたりするのに時間がかかるようになってしまい、かなりペースダウンしてまいりました。 それでも細々と朗読の音源をつくったり、今までつくったり書いたりしたものを朗読のものにしぼってnoteにまとめたりなどしてお…

音に言葉をのせて   Spoken word ~宮沢賢治「雪渡り」 

眼が疲れるので、読書は「聴く読書」にシフトしつつあります。 オーディブルとか契約すればいいんでしょうけれど、ビジネス書とか新しいものはもう必要ないので、YOUTUBE上にある古い作品の朗読音源にお世話になっています。 ありがたい時代になりました。 …

生まれた日の月を覚えているのかも

ご自身の生まれた日の月齢をご存じでしょうか。 月齢の計算はなかな面倒で、私はいつまでたっても理解できないのですが、計算してくれる便利なサイトやアプリがいくつもありますね。 何年何月と入力すれば100年前でも計算してくれます。 こよみの計算 長…

月見れば

もうじき中秋の名月ですね。 今年は9月17日だそうです。 最近は、月を眺めるのが楽しみになりました。 貧乏なのにそこだけ平安貴族みたいです。 何だか月のことばかり考えています。 吉田拓郎さんの「旅の宿」に出てきた、「上弦の月」の正確な意味を今頃知…

もう秋ということにさせてもらって

偉い先生方が会議をして、「この夏は猛暑で異常気象だった」との評価をしたそうです。 知ってました(笑)。 夏は暑いことで有名なので異常とまでは言えないのかな、と個人の感想としては思います。 雪が降ったらびっくりするけど。 もう日本には夏と冬しか…

サルベージした音 

セミがやかましすぎ。 セミの鳴き声は70db程度だそうですが、・・・いやいやもっとあるのでは。 電車が通り過ぎるガード下が100dbって習った気がしますが、それ以上あるような。 ガード下の居酒屋なら何とか会話できますが、うちの庭では話ができませんから…

「ルックバック」 背中越しの未来

藤本タツキさんの「ルックバック」を読みました。 珍しく家族3人で回し読み。 映画は見ていません。 大変なことになりそうなので、たぶん見ないかな。 読後、猛烈に机に向かいたくなります。 娘は「マンガを描きたくなった」って言ってました。 もともと描い…

いぬめり

今日、記事を更新したら、何かの拍子に急にアクセスが増えてしまいました。 小心者が物陰でこっそりと綴っている日記のようなものなので、時々発生する何とか砲という、普段の10倍、20倍というアクセス数になると、何だかもう嫌になってしまって・・・、今回…

「百年の孤独」に再挑戦 たぶん5年ぶり5回目

ガルシア=マルケス「百年の孤独」が、とうとう文庫化されました。 自分のなかでは、ソロー「森の生活」と並んで、いつまでたっても通読できない本のツートップ。 「源氏物語」を原文で読むことと合わせて、この人たちにはそろそろけりをつけなくては。 とは…