人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

もう一度逢いたい

昨年、旅先でふらっと寄った八代亜紀さんの作品展。 油絵も素敵だったのですが、書道の迫力にも感激しました。 特に会場の奥に展示されていた「舟唄」。 八代亜紀さん以外、他の誰にも書くことのできない「舟唄」。 唄声が聞こえてくるような唯一無二の存在…

雨の国の屋根の家

その敷地にどんな屋根を浮かべたいか。 そこから考えます。 堅牢かつ軽量で美しい屋根。 形状・素材・性能・軒の出。 もし2階建であれば、その屋根の荷重を支える2階の設計をします。 それから、屋根と2階の荷重を支える1階の設計をします。 その後、そのす…

風信子の家 4.3坪の夢

自宅は経済の事情で小さな平屋になるようで、設計をしていた10年ほど前、古今東西の「小さな家」研究を随分としました。 同時代のもの、特に戦後の日本は物資の不足や土地の狭さなどもあり、それは一つのジャンルのようなものを形成していて、有名建築家の実…

イツモシヅカニワラッテヰル

年老いた両親は日ごと子どもにかえっていきます。 毎週、娘の顔を見せに行きますが、ただいつも静かに笑って、こちらの体の心配なんかしています。 もとは、二人ともなかなか厳しい人で、私とは衝突続きでした。 「二度と敷居をまたぐな」とか「葬式にも来る…

悲愴感に沈んでしまわないように

放っておいたらどこまでも沈んでしまいそうな時には、古の諸先輩方のことば達に耳を傾けます。 どこか疼いたとしても、いつかは思い出に変わる時が来るのかもと思えれば、なんとかやっていけます。 百人一首 68番歌 心にも あらでうき世に ながらへば 恋しか…