放っておいたらどこまでも沈んでしまいそうな時には、
古の諸先輩方のことば達に耳を傾けます。
どこか疼いたとしても、いつかは思い出に変わる時が来るのかもと思えれば、
なんとかやっていけます。
百人一首 68番歌
心にも
あらでうき世に
ながらへば
恋しかるべき
夜半の月かな
三条院
【現代語訳】
心ならずも
このはかない現世で
生きながらえていたなら
きっと恋しく思い出されるに違いない
この夜更けの月を
藤原道長のハラスメントや眼病に苦しみながら眺めた月。
三条院がどんな気持ちで、その冬の月を眺めていたのかを考えると胸が苦しくなります。
ただ、寂寥のなかにも生きる望みを感じられるのが、このうたの救いです。
悲しみの中に小さな光が灯る救済のうた。
こんなに悲しい年の初めの、自分へのおくすりです。
悲愴感に沈んでしまわないように、
「『悲愴』(ベートーヴェン ピアノソナタ第8番 第2楽章)になりそうでならない曲」をつくって、このうたをのせてみました。
オマージュなんていうには稚拙すぎますので、
パロディのようなものです。
今日、突貫工事でつくったので雑なものですが、
令和6年(昭和99年!)の年初の心象スケッチとして残しておきたいと思います。
朗読は奥様にお願いしました。
英語部分は「音読さん」の読み上げです。