人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

人に頼って明るく自立する

年齢は一の位を切り捨てるルール(笑)。

この姑息な「丸め」をもってしても、あと数年で大台に乗ります。

少しずつできないことも増えてきました。

 

しぶとく続けているピアノの練習も、楽譜を読むのがやや困難に。

それで、奥様に一小節ずつ押さえる鍵盤を教えてもらったりしています。

スローになりましたが、急ぐ旅でもないので。

運転を代わってもらうことも増えてきました。

 

この頃、何となくこれが心地良くなってきました。

何が何でも「自分で何とかしよう」と思っていた頃より、楽なのはもちろんですが、かえって自分の足で立っている実感があるのです。

上手く説明できないのですが、人どうしのエネルギーのやり取りの輪から離れているのは、自立というより孤立している感じがしていたんですよね。

 

10年以上前に読んだ、安冨歩さん「生きる技法」という本の影響があるのかもしれません。

帯に書かれている言葉が、その本の内容を一言で表現しています。

「助けてください」と言えたとき、

人は自立している

逆説的なこの言葉の意味が、今はよくわかります。

もう少し正確に言えば、

より多くの人に

「助けてください」と言えた時、

人はより自立している。

ということだと思います。

誰にも依存していないつもりでも、人は一人では生きていけないので、僅かに依存した少数の人に、人は隷属してしまいます。

国際的な貿易や安全保障などにも通じますね。

 

だから、これから、より多くの人に助けられたり、助けたりしながら楽しく自立していこうと思います。

↓本の帯

9年前に他界した兄の、子どもの頃のキャッチフレーズは

「人に頼って明るく生きる」

しっかりものの次男(私)は若干軽蔑(笑)していましたが、

案外、慧眼の持ち主だったのかもしれません。