人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

ルーレットがまわるように

兄が19,姉が17,私が14。

大学進学のため兄が上京する直前、誰が言い出すでもなく兄弟3人で人生ゲームを始めました。

小さな頃はよくやっていたのですが、それぞれ受験やら何やらで、本当に久しぶりでした。

ルーレットをグルグルと回しながら、こう思ったのを鮮明に覚えています。

「兄弟3人だけで人生ゲームをやるなんて、この先二度と無いだろうな。」


実際に二度とありませんでした。

兄弟3人だけで会ったのも、ずっと後。

大学病院の無菌室でした。

 

兄と姉がほぼ同時期に難しい病にかかり、入院していた病室。

思いも寄らない状況のなかではありましたが、たくさんたくさん話しました。

 

「一生分話したな。」兄が言いました。

 

遠く離れていて、それまで一年でそれぞれ5分も話すかどうかという程度だったんですから、本当に、一生分の話をしました。

でも、やっぱりもう少し話しておきたかったなと思います。


3人兄弟の末っ子でのんびりやってたのに、突然、長男みたいにされてしまいました。

 

両親はそろって要介護の状態。

二人は日々童心にかえっていきます。

 

お兄ちゃんとお姉ちゃん・・・、逃げたな(笑)。

兄と姉の、決して長くはない生涯から多くの事を学びました。

 

どうでも良い事を、心からどうでも良いと思えるようになりました。

やりたいことを後回しにして、やりたくないことを延々と続けられるほど、一人の人間の持つ時間は多くないことも知りました。

 

 

二十歳の頃から聴き続けている大切な曲があります。

真島 昌利さんの「ルーレット」。

ルーレットがまわるように

毎日が過ぎてゆくんだ

なににどれだけ賭けようか

友達、今がその時だ

          真島 昌利 「ルーレット」 より

本当に。

ルーレットがまわるように時が過ぎていきます。

今がその時ですね。

 

今日も奥様と話しました。

「やけに今月は金曜日が多いね。」

金曜日が中三日くらいのローテーションで登板してきます・・・。

決して焦る必要はないけれど、明日やれることでも今日やっておきたいと思う金曜日です。

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