人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

月前の恋

「今はもう秋」ということにさせていただきました。

月を愛でたりなどしています。

気づけば虫の声。

ラウドな蝉丸たちも輪廻の輪に帰っていきました。

 

もう秋なので、「月のうたのうた」をつくろうと思いました。

西行法師「嘆けとて」

特に季節は示されていないので秋の月とは限らないのですが、秋ということにしました(笑)。

百人一首 86番歌

 

嘆けとて

月やは物を

思はする

かこち顔なる

わが涙かな
  
  西行法師  千載集

 

【現代語訳】

嘆けと言って

月は物思いをさせるのかな

いや、そんなことはないよね

流れる涙を月のせいにしている

 

【適当英訳】(たぶんいろいろ間違っていますが、気にしません!)

Is the moon telling me to be sad and making me pensive?

No, I don't think so.

It's really because of love.

My tears as if they are flowing because of the moon.

 

千載集の詞書に「月前恋といへる心をよめる」とあります。

「月前恋」というお題。

月の前で恋を詠んだということですね。

月前恋 月前の恋

美しい言葉ですね。


詠んだのは西行法師なので、もちろん男性が女性を想って詠んだうたなのですが、私にはなんとなく女性のうたのように感じて、女性が詠んだということにさせていただきました(笑)。

 

数日、平安末期の女性になりきってガサゴソとやっておりました。

 

少し時間をかけて、丁寧に作編曲、制作をしました(2日くらいですが・・・)。

いつもはO型らしい適当な演奏や打ち込みなのですが、今回はピアノ(といっても自分がつくったものなので、たかが知れているのですが)の練習も真面目にやって、メトロノームにあわせてきっちり弾きました。

 

私は平安女性でした。

エンパスぶりを発揮しすぎて、21世紀の50代男性に戻るまでに少し時間を要しました(笑)。

 

適当英語の部分は「音読さん」で読み上げてもらいました。

日本語の朗読とフェイドアウト部分のコーラスは奥様にお願いしました。

youtu.be

今までつくったものの再生リストです。

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