人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

「押し入れ」ない    [家と言葉]

押し入れ 
    日本間で、ふとんなどをおさめるために設けた作り付けの物入れの場所。     
    普通、中棚を設け、前面に襖を立てる。      
       三省堂 スーパー大辞林

 

いろんなものを「押し入れ」るからですね。

私の身の周りでは、あまり聞くことはないのですが、「押し込み」という呼び方もあるようで、「何でも突っ込んでしまえ」という勢いを感じます。


押し入れは奥行き(通常90cm)が深いので、普通に収納として使うと、奥に突っ込んだものは、(私は)ほぼ出さなくなってしまいます。

特に下の段に大きな重いものを、それこそ「押し入れ」てしまうと、引き出すことのない死蔵品となってしまいがちです。

 

最近は和室のないお宅も多いので、そもそも押し入れはないのかもしれませんが、押し入れに限らず、「奥行きのある収納」は要注意ですね。

 

納戸を上手に設計するか、そもそも「収納しない」というのも手だと思います。

 

ただ、日本家庭の持ち物数の平均は、3万~4万点と言われています。

単に収納の問題というより、モノの買い方や消費についての思想・哲学にもつながってくる、深くて大きなテーマでもあります。

その辺りも、少しずつ考えをまとめていきたいなと思っています。


それで、我が家の「押し入れ」です。

通常は幅一間(1820ミリ)のところ、うちは1365ミリ。

梁下も1750ミリとかなり低いうえに、「吊押し入れ」にしたことで下部にうまれた謎の空間(笑)がありますので、容積的にはスタンダードな押入の半分もありません。

「布団収納」のスペースに徹しています。

 

下部を空け、宙に浮いた吊押し入れをデザインしたのは、「押し入れ」ない!、「軽い布団以外には何ものも収納するまい」という、強い決意の表れでもあるのです。

 


吊押し入れの下の空間(正式名称を知らないのです・・・)のもう一つの目的は通気の空間の確保です。

吊押し入れの下の空間(長い・・・)の床面にガラリを設けて、床下と室内の通気を図っています。

(床下は基礎で断熱をしていて、通気をすることで室内と同じ温熱環境(あくまでも目標ですが・・・)になるように設計しています。

 

この「ミニギャラリー」(急に命名)は、なかなかの機能を持っているのです。