人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

親譲りの無鉄砲で

娘(万年反抗期)によると、先日、中学校の生徒会長選挙があり、今年は男子が当選したとのこと。

というのも、現在は女子が生徒会長をやっていて、その女子がうちの娘だからです。

生徒会長は2年の後半から3年の前半までが任期で、娘の仕事ももうすぐ終わりです。

 

お疲れ様でした。

 

大昔、同じ中学校の生徒会長を私もやっていました。

もちろん、そんなものをやりたいはずもなく、行きがかり上といいますか、気がついたらやらされる羽目になっていたのですが。

 

当時は「校内暴力」の時代。(いやな時代区分ですね)

学校は毎日とんでもないことになっていました。

 

テレビでは3年B組金八先生とか「積み木くずし」など世相を反映したドラマをやっていましたが、あれはドラマだからですね。

「ドラマだから」というのは、「ドラマだからあの程度で済んでいる」という意味で、現実世界は、今だったら生徒の側も教師の側も、何人も逮捕されているレベルでした。

 

そんな世界で生徒会長なんてやらされたら、たまったものではありません(笑)。

 

幸い、私も同学年の2年生や下級生には、なぜか力を持っていたので良かったのですが、とにかく上級生がダメでした。

と言っても向こうが勝手に敵対してくるので仕方ないのですが・・・。

「ひく」内容なので(笑)、詳細は書きませんが、大変な暴力に巻き込まれました。

 

よくあの時代を切り抜けてまっすぐ育ったね、なんて、10代の自分を褒めてあげたい(笑)。

 

 

厄介なのは上級生の卒業式です。

 

生徒会長は在校生代表として「送辞」を読まなければならないんです。

多くの卒業生には罪は無いのですが、もはや「こいつら全員留年しろ」(笑)くらいに思っていたので、送辞を読む気になんてとてもなれません。

 

それでも一応、適当に原稿を書いて、担当の暴力教師のところに何度も持っていきました。

その都度突き返されます。

「感謝の気持ちが足りない」そうです。

何度書き直しても、「感謝が足りない」。

あるわけがないんですが・・・。

 

5回目くらいに、温厚な(笑)私も静かに切れました。

 

「じゃあ、あなたが読めばいいでしょ。」

 

そのまま職員室を後にし、それですべてが終了しました。

在校生代表としての生徒会長は、勢い余って卒業式そのものもボイコットしました。

 

前代未聞の事だったと思いますが、後悔はしていません。

いささか優等生的(生徒会長的)ではありますが、自分に正直であることを通せたからです。

「自分に正直であること」は自分という独立国の国是のようなもので、そこをゆるがせにしたのなら、それこそまっすぐに大人になれてはいなかったと思います。

 

 

娘の生徒会長の任期終わりに、自分の、あまりに黒い、漆黒の歴史が記憶の奥底から引っ張り出されてしまいましたが、こんなものは思いついたときにせっせと掘り出して、「どんど焼き」のようなもので焼いてしまった方が良いのかもしれません。

そんなこんなで、昨年娘が「生徒会長に立候補したい」と言い出した時には、仰天し、当然猛反対しました。

大げんかです。

夕方から始まって翌日の明け方まで。

 

しかし、こちらが疲れ果て、うとうとしている間に娘は登校し、立候補の手続きをし、後日当選して、今、生徒会長をやっています。

 

恐ろしい・・・。

 

恐ろしいのですが、見上げた根性ではあります。

 

誰に似たんだか。

 

ちなみに、現在の中学校は(当時と比べれば)いたって平和なようです。

面倒なのは、女子が1軍と2軍(娘所属)に分かれているくらいだそうです(笑)。