人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

緑に屋根を浮かべる

緑の中に一枚の屋根が浮かんでいるようなイメージで設計を進めていました。

まったくの更地に建てたので、竣工直後は模型をただ置いたようで違和感しかありませんでしたが、そろそろ何とか当初の目論見に近づいてきたような気がします。

建築雑誌などに載っている竣工写真は最初からどんと大木を植えて一丁上がりという感じで、見栄えがします。

我が家は予算的に厳しかったので、苗木を買ってきたり、実家の庭から引っこ抜いてきたりして、ほぼ自力で植栽をしました。
中には双葉から育てたものもありますし、ご近所から飛んできて育った木もあります。

なかなかの月日をくいました。
ただ、負け惜しみのようですが、そんな風に家も庭も育てたほうがお互いに借り物感がなく、なじんでくるようです。

ということで現在の南の立面はこんな感じです。

アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトはこんなジョークを言っていたそうです。

「医者は自分のミスを闇に葬ることができるが、建築家は依頼者に、ツタ科の植物を植えるように勧めることしかできない。 」 

本当は私も自分の拙さを緑で隠しているだけなのかもしれません。