人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

ようやく「こんにちは」を言えるように・・・

庭のリッピアがいつの間にか緑になっています。

100円で小さな苗を買ったのが数年前。

猛スピードで繁殖し、立派なグランドカバーになりました。

間に草も生えてきたので、これから草取りで忙しくなります。

草取りは趣味なので苦にはなりません。

それに、庭にいると通りかかった諸先輩方やベテラン小学生の皆さんが「こんにちは」と声をかけてくれるので、ちょっと楽しいのです。

 

「こんにちは」

 

お恥ずかしいのですが・・・、これが当たり前のように言えるようになったのは、ここ数年のことです。

何だか照れくさいような、「ごきげんよう」のように、日本語としては存在しているけど、日常は使わない言葉のような気がしていたのです。

 

以前勤めていた(お金をとる)放送局の影響もあるかもしれません。

昼でも夜でも「おはようございます」の世界。

最初は業界風にそんな挨拶もしていましたが、やがて嫌気がさしてきて、「ーーーす」みたいに濁してみたり(笑)、便利な大人の挨拶、「お疲れ様です」を多用したりしていました。

 

そんな感じで、周りで「こんにちは」を聞くことがまるで無かったので、すっかりその運用方法、「こんにちは」(「こんばんは」も同様)をどういう場面で、どういう顔で言ったらよいのか、さっぱりわからない人間になってしまったのです。

 

 

庭にいると「こんにちは」をガンガン浴びせられます。

最初は照れながら、おそるおそる「こんにちは」。

ドラマや小説の中じゃなくても普通に言うんだ。

ようやく慣れてきました。

 

そもそも、小さな頃はまともに挨拶なんてできなかったし。

だから、そこそこ長く生きてきて、発した「こんにちは」の90%はこの数年だと思います。

やっと、健全なコミュニケーションのとれる真人間になれたような気がします(笑)。

 

ただし、子ども達とのコミュニケーションについては、「こんにちは」を待っている受け身の状態です。

 

「声かけ問題」という日本海溝より深い問題が横たわっているのです。

 

町の防災無線では「子どもたちに声かけをお願いします」などと毎日流れているんですが、まわってくる回覧板には警察が出した「今月の声かけ事案」という書類(笑)。

「知らない中年の男性に声をかけられた」などという事案が一覧になっているのです。

 

なんというダブルバインド

 

私のように、右手に鎌、左手にのこぎりを持った状態で声をかけようものなら・・・。

 

田舎らしく微笑ましい(笑)不条理なのですが、この悩みはいまだ解決に至っていません・・・。