人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

Please Mister Postman

自分の事は適当なのですが、人様に関わる事になると、途端にとんでもない小心者になります。

運転中、微かに救急車の音が聞こえると、パワーウィンドウを下げ、まず音のする方向を把握。

道幅や車線数、対向車の有無などを確認し、救急車がいかにスムーズに通過できるかをシミュレーションします。

自分のせいで病院への到着が遅れたら・・・、なんてつい考えてしまうのです。

 

もう少し、楽に生きたいな・・・。

 

物流の2024年問題などもあり、配送業者さんに負担をかけてしまうことも過度に恐れています。

再配達させたり、チャイムを押した後長々と待たせたりしたくないのです。

 

本当に、もう少し、楽に生きたいな・・・。

 

今は窓も玄関の戸も網戸にしていて全開なので、外の様子がよくわかります。

配達の車の音を聞いた次の瞬間にはハンコを手にし、受け渡しにかかる時間を最短にするべく、外まで荷物を取りに行きます。

 

郵便局のカブも独特の音がするので、同様です。

郵便の場合はポストの鍵を開けるのが面倒なこともあるのですが、書留があったりするので大抵は庭で直接受け取ります。

何だか昔のドラマに出てきた、手紙を待ち焦がれている少女みたいになってます(笑)。

 

自分がいろいろ厄介です・・・。

 

それでも、配送業者さんも郵便局のお兄さんも皆さん爽やかで、実際どう思っているのかはわかりませんが、自分としては気持ちの良いコミュニケーションができているので、まあいいかなと思うことにしています。

私はほぼ玄関で暮らしています。

玄関は一応アトリエのようなことになっていて、ずっとそこで音楽を聴いたり、ギターを弾いたり、時々図面を描いたり(笑)しています。

 

先日ちょっと大きめの音でビートルズのセカンドアルバム(with the beatles)をかけていました。

それで、うっかり郵便局のカブの音を聞き逃していました。

気付くとお兄さんが網戸の前で立っています。

痛恨のミス。

書留だったようです。

 

そして、何となく微妙な空気に気づくのにそれほど時間はかかりませんでした。

アルバムの7曲目、”Please Mister Postman"が結構な音量で流れていました・・・。

So many days you passed me by
See the tear standing in my eye
You didn’t stop to make me feel better
By leaving me a card or a letter

 

そんなに俺のことを・・・・・。

 

いやいやいやいや、違います違います・・・。

(以上、心の声)

 

心の中で手をぶんぶん左右に振りながら、お兄さんの顔は見ず、黙ってハンコを押し、そーっと戸を閉め、そーっと鍵を閉めました。

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