人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

言葉を歪めるものは

「あなたのマイナンバーは」などと言われると、「いやユアナンバーだろ!」と即座に頭の中でツッコんでしまう、面倒な性分です(笑)。

ただ名前が、ある程度そのものを定義してしまうように、使う言葉を歪めているとその集合体である社会も歪んでくるような気がします。


マイナンバー」って変わった言い方ですよね。

「あなたのマイナンバー」って言わないといけない時点で間違っていることは、名付けた人たちも当然わかっていると思うんです。

だからなおのこと、「ややこしいこと言っても伝わらないから、(この人たちには)この方がわかりやすくていいんじゃない?笑」みたいな、愚弄された感じがするんですよね。

「ぼくのお名前は?」って訊かれてるみたいな。

ちょっとひねくれてるのかもしれません。


1987年、国鉄の分割民営化でJRが誕生した際、「国電」を「E電」という「愛称」にするよう決められましたが、誰も口にしようとしませんでしたね。

まだ社会の方が強靭でした。


21世紀の今、会議室で決めた欺瞞の言葉が瞬く間に拡散、浸透していきます。

言葉を弄んで歪めたつけは、いつか社会の歪みとなって人を苦しめるような気がします。

「まいなさん」という女の子がいて、なんだか微妙な感じになっているという話を聞きました。
「マイナ」という「愛称」を「会議で決めた」人たちに、そんな心の揺れは思いも寄らないことなのかもしれません。

だとしたら、その人たちは気の毒だなと思います。