その空間にあった収納をビシッとデザインして、
きちっと図面に落とし込んで、
竣工時にはそれが建築の構成要素の一つになっていること。
そんな「固いこと」をずっと考えていました。
自宅の設計時にもそのように考え図面を描いていたのですが、ある時点から、「これいつまでもこの状態で必要かな?」と思うようになってしまいました。
そう思ってしまうと、もうやめたくなってしまいます・・・。
どんなに考え抜いて設計しても、それは「その時点」でのことで、将来のことはわかりません。
それで、途中から造り付けのものはほとんど中止することにしました。
デスクの後ろに一つ大きな造り付け本棚がありますが、他はほぼやめてしまったので、家の中のいろんな所に謎の「窪み」が残っています(笑)。
「窪み」の一つは「置き家具」で埋めました。
写真奥のボックスがそうです。
マルゲリータさんのBLCというスタッキングできるボックスのシリーズなのですが、
モジュールの設計が行き届いていて、造り付けのようにいい感じに納まります。
LPレコードのサイズが基準になっているようで、レコードの飾り棚としてもぴったりです。
いろんな棚を2年位探して、どうしてもしっくりくるものがなくて困っていた時に、たまたまネットで見つけて感動したのを覚えています。
ここもいつかは違う用途で使うかもしれません。
将来、家の中に点在している「窪み」がどのように変化していくのか、楽しみです。