人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

「おかあさんといっしょ」のおかあさんの話

歯を磨いている時などに、忘れていた記憶が突然浮かんでくることが多くなりました。

走馬灯でしょうか。

要注意ですね(笑)。

 

先日は名曲「どんな色がすき」のメロディーとともに、「おかあさんといっしょ」関連の記憶が雪崩をうって、蘇ってきました。

相当危険です・・・。

 

20代の頃、「おかあさんといっしょ」の仕事を何度もさせてもらいました。

 

歌のおにいさんとおねえさんでいうと、

坂田おさむさんと神崎ゆう子さんコンビの時代から、速水けんたろうさんと茂森あゆみさんコンビの時代。

 

体操のおにいさんだと、

天野勝弘さんから佐藤弘道さんの時代。

 

「ハイ・ポーズ」のおねえさんは、

馮智英さん。


キャラクターでいうと、

にこにこぷん」から「ドレミファ・どーなっつ!」の時代です。

NHKアーカイブ ダイジェスト映像よりお借りしました。
https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009020003_00000

 


放送業界の、自分には不向きでちょっと無理をしていた仕事が多かった中で、「おかあさんといっしょ」だけは癒しの仕事でした。


それでもちょっとだけ、つらかったのは、出演希望のハガキを抽選すること。

 

申し込みの往復はがきの往信側には、本来は住所や電話番号、保護者とお子さんのお名前とか年齢など必要事項だけで良いのですが、そこはお子さんを思う熱い気持ちやキラキラ光るシールで大変なことになっていました。

 

それを目にしてしまうと、落選させることなどとてもできません。

独身だった当時でさえ苦しかったのですから、子どもを持ってからだったら、メンタルをやられていたかもしれません。

 

手で抽選することなどとても無理なので、到着順に機械的にナンバリング(これもアルバイトの方にやってもらいました)をし、乱数表で機械的に末尾番号を出して・・・、とにかく「機械的に」何とか抽選をしました。

 

抽選を終えると、返信ハガキに当落を印刷して返送をするのですが、その前に、一応当選者のお子さんの年齢をチェックします。

 

当時、スタジオ出演の対象は3歳児で、倍率も高いので不公平にならないよう、かなり厳密にチェックしていました。

 

ただ、なかには年齢の記入漏れもあり、その場合電話での確認が必要です。

 

 

その日は、先輩と私と手分けをして電話をしていたのですが、私はまだ不慣れだったので先輩のやりとりを手本にしようと、横で聞き耳をたてていました。

 


お父さんが電話に出てくれたようです。

 

先輩:こちら「おかあさんといっしょ」の係です。今回当選しました。おめでとうございます。

お父さん:ほんとですか!!。ありがとうございます!。

先輩:ただ、一つ確認したいことがありまして・・・。

お父さん:はいはい。何でしょう。

先輩:えみちゃん(仮名)のことなんですが・・・。

お父さん:ん・・・?。

先輩:えみちゃんの年齢のことなんですが・・・。

お父さん:・・・・。

先輩:えみちゃん、3歳で大丈夫でしたよね。

お父さん:・・・・・。

先輩:すいません。一応、3歳児という制限があるものですから・・・。

お父さん:・・・・・・。

先輩:大・・丈夫ですよね。

 

お父さん:・・・えみは32歳ですけど。

 

先輩:・・・・・・・・・・。

 

おかあさんでした(笑)。

おかあさんといっしょ」のおにいさんの話は、次の走馬灯がまわったら書きたいと思います。