人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

雀のこと

縁側に雀が横たわっていました。

いつからそこにいたのか・・・、まったく気づきませんでした。

今回は大きな音はしなかったので、バードストライクではないような気がします。

雨風が強かったので、軒下に逃げて、そこで力が尽きたのかもしれません。

随分時間がたっているようでした。

 

以前メジロが脳しんとうを起こしていた時は、微かに呼吸をしていましたし、5分ほどで覚醒しました。

今回はただ、ぐったりとしているばかりで、わずかな命の気配も感じません。

 

奥様と二人で十分な時間をかけ、それを確認し、庭の隅に穴を掘りました。

枯葉でベッドをつくり、素手で触ることは避けなければいけませんので、そっとスコップで横たえ、枯葉の布団をかけて、庭で摘んだ花を供えて、そっと土をかけて、手を合わせました。

 

それでも、「もし万にひとつでも脳しんとうだったら・・・」と急に不安になり、あわてて土と、枯葉の布団をとり除き、もう少しだけ様子を見てみることにしました。

猫の通り道でもあるので、大きめの鉢をかぶせて。

 

長いこと眺めていました。

奇跡が起きることはありませんでした。

 

ようやく諦めもつき、また奥様と二人で確認し、また枯葉の布団をかけ、また庭の花を摘み、「ごめんね」と言いながら、また手を合わせました。

 

同じことを二回した、ただ、それだけの一日でした。

このような鳥を創造した何かに感謝をしたくなるような、美しく可愛らしい雀でした。

 

神様は 軒の小雀まで お優しく いつも 守りたもう
小さいものをも 恵みたもう

 

小さな命を守れる家と庭だったらいいな、と思います。