人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

運命の出会いはあるのか  小さな家の由来記 1

2023年8月6日

「ビビビ婚」(古っ!)のようなものが、土地との出会いにもあるのかな。

時々考えます。

住宅本をたくさん読んでいると、そういった感じのストーリーに馴染んできますね。

本に限らず作品として世に出すのなら、多少のトリートメントは施すだろうな、と今は思っています。

誰だってちょっと盛りますよね(笑)。

 

以下は、2017年に書いたものです。

運命の出会いはあるのか   (2017年 3月11日) 

 

家づくりの本や雑誌で、「この土地に運命的な出会いを感じ、その日のうちに契約しました。」という定番のエピソードがありますね。

 

「後で振り返ってみたら運命的だったな」というのはあるかもしれませんが、「その場で運命を感じる」というのは、なかなかないような気がします。

それとも、お金持ちで、もし何か問題があれば「手付を流して契約解除すればいい」位の気軽な感じなのかな。

 

私には、運命を感じる能力や100万レベルの手付を流せる余裕がありませんので、普通に、慎重に慎重に土地を探します。

 

人に相談された時も、できるだけ土地はたくさん見たほうが良いですよとアドバイスしています。

何より、眼が肥えてきますからね。


自分自身の土地探しの際には5~6年かけて長野から北海道まで、100箇所くらいの土地を見てまわりました。

不動産屋さんに「のんびり考えてると、今日にでも他のお客さんが付きますよ」というお馴染みのプレッシャーを常にかけられながらでしたが・・・。

それでも気にせず、気に入った土地があったら、いちいちそこに合わせて図面を描いたりしていました。(幻の自宅図面がたくさんあります。)

そのうち、その間に売れてしまったとしても、それは「縁がなかった」と考えられるようにもなってきましたし、実際そのようなことがあっても、その後もっと良い土地が出てきたりするものだ、ということもたびたび経験しました。

 

土地には、周辺環境を含めて熟考しなければならない事がたくさんありますし、その後の長い人生がそこにのっかることになります。

運命を感じ、一目惚れで、ぱっと契約出来るほど軽いタッチの話ではないのかなと、私は思っています。
更地だった頃の自宅敷地


土地めぐりの長い旅路の末に、結局生まれ故郷の静岡に家を建てました。

まだいろいろな顛末が生々しすぎて、それが運命的だったのかどうかは、わかりません。

ずっと後になったら、わかるかもしれないなと思っています。


2023年8月6日

たった6年前ですが、文が若いというか、ちょっとキツイ感じがします。

年齢を重ねるのも良いものですね。