いきなりで何ですが、私どうしても
「親子丼」という名称を受け入れることができないんです。
料理の名前なんかなんでも良いだろ、というのも確かにそうかもしれません。
でも、いくら何でもひどすぎませんか。
そうでもないですか。
いずれにしても、こんな変てこな事でひとり苦悩している自分っていったい、と思っていたのですが・・・。
今昔物語集の藤原義孝(ふじわらのよしたか)のエピソードにこのようなものがありました。
酒の席で鮒(ふな)の子膾(なます)ー鮒にその卵を和えた膾ーが出された際、義孝は涙ぐんでその場を立ち去ったというものです。
親の肉にその子を和えたものを食べるなどという惨いことはできない、ということですね。
1000年以上も前ですが、素敵な先輩がいました。
エリートの家系に生まれ容姿端麗。
でも、何より仏道に熱心で信仰心に篤く、はやくから出家を願っていた義孝先輩らしいエピソードです。
これからという、20歳の若さで天然痘に倒れてしまった先輩。
そんな敬愛する義孝先輩のうた。
いわゆる「後朝(きぬぎぬ)のうた」ですね。
百人一首 50番歌
君がため
惜しからざりし
命さへ
長くもがなと
【現代語訳】
あなたに逢うためなら
惜しくないと思っていたこの命も
逢うという願いが叶った今では
長くあってほしいと思う
あなたに逢えるなら死んでも構わない
なんて思ってたのに
逢ってみたら幸せすぎて
死にたくなくなっちゃった
こんな感じですね。
ひたむきさが愛らしいですね。
純情な感情ですね。
義孝先輩の純情を表現したく、音をつくってみました。
建築の勉強をしていた頃、時々「即日設計」という課題がありました。
一日で一軒の家を設計して図面を仕上げるのです。
それを急に思い出して、音を「即日制作」してみようと思ってしまいました。(思ってしまったら、やってみることにしています)
曲をつくって、アレンジして、演奏・打ち込みをして・・・、と半日くらいでやっつけました。
直観と瞬発力のみ。
粗はあるのですが、後ろは振り返りません(笑)。
和歌の世界らしく「本歌取り」をするという課題も己に課しています。
「あなたのそばに居たい」ということで、カーペンターズの「Close to You」のアレをねじ込みました。
朗読は奥様にお願いしました。
今までつくったものの再生リストです。