人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

子どもを大切にする世界

一年前、9月最初の月曜日、近くの幼稚園のバスで胸がつぶれるような事件が起きました。

 

小さな子どもを守れないような社会に何の価値があるでしょうか。

 

その日、その時間帯、私は何も知らず、家で扇風機にあたりながらアイスコーヒーか何か飲んでいました。

あの日の自分を許せないままでいます。

私も、その無価値な社会の無自覚な一部でした。

 

ただ、あの日、自分の中の何か、OSなのかプロトコルなのかわかりませんが、何かがカチッと切り替わったのを感じました。

 

「子どもを大切にする世界」の一部になりたい。

 

「子どもを守る」なんて、ちょっと上から目線でおこがましいのかもしれません。

ましてや子供に教育したり、躾けたりなんて。

 

私は子どもたちを師として生きていくことにしました。

 

家の周りを行き交う小さな子供たち、ベテラン小中学生の皆さん、もちろん娘からも多くの事を学び、その感性に驚愕する日々です。

 

大切なことは子供たちが承知しています。

楽しいことは何か。

美しいもの、優しい世界を知っています。

 

私は政治家でも行政担当者でもありませんので、社会を動かす力を持っていません。

ただ、子ども達から学んだ、楽しいこと、美しいもの、優しい世界を探して、可能であれば、それを表現していきたいと考えています。

 

いつか「子どもを大切にする世界」の一部になって、あの日の自分を許せたらいいなと思います。