アンビエント[ambient]
周囲の。大気の。環境の。
アンビエントミュージック[ambient music]
1970年代末にブライアン=イーノによって始められた環境音楽。
人間を取り巻く外部環境の独特な雰囲気を表現するもの。
(三省堂 スーパー大辞林3.0)
アンビエントミュージック[ambient music]
環境音楽の一種。ブライアン=イーノの唱える、人間の生活環境の一部としての音楽でありながら、従来のBGMとは異なったあり方を目指すもの。
(現代用語の基礎知識 カタカナ・外来語 略語辞典)
建築やインテリアの世界では、主に照明の分野で、アンビエント照明(室内を均一に明るくする)とタスク照明(必要な部分だけを明るくする)のように使われます。
辞書では、アンビエントミュージックは環境音楽の一種、「ブライアン=イーノによって始められた環境音楽」と解説されています。
「環境音楽」自体は、それ以前にもジョン・ケージ、ピエール・シェッフェル、エリック・サティ、もっとさかのぼればイタリア未来派の作曲家、ルイジ・ルッソロあたりがその起源かもしれませんね。
ただ、「アンビエント・ミュージック」の先駆者といったら、間違いなくブライアン・イーノということになると思います。
「こうした音楽に名前をつけること」の重要性を指摘し、「興味深いものであると同時に、無視できるものでなければならない」と定義したのもイーノだったからです。
ブライアン・イーノは活動が多岐にわたりすぎて(人によっては、Windows95の起動音をつくった人という認識かもしれません)簡単に説明できませんので、Wikipediaから引用させてもらいました。
"Ambient 1 Music For Airports"は、後に続くことになるアンビエントシリーズの1作目になります。
いわゆるBGMとは全く異なりますし、環境音楽というのも何だか違う感じがします。
はっきりとしたメロディーやコード進行というものはありません。ないと思います。たぶん(笑)。
ゆったりとしたいくつものループが、すれ違いながら、交錯し、室内空間に音の粒子がずっと漂い続けます。
過去の音も、今の音も、これからの音も、同時に鳴って、溶けあっているようで、私にとっては、音楽というより、森の中の葉擦れや雨音や小川のせせらぎのようです。
建築家やデザイナーにこのアルバムのファンが多いのは、作曲というより、音が「構成」されているのを感じるからかもしれません。
デザインの授業で「平面構成」と「立体構成」というのをやりました。
このAmbient 1 Music For Airportsは、音楽から時間軸を取り除いて、「音」で「立体構成」をしたようなものかもしれません。
確かに「興味深いものであると同時に、無視できるもの」です。
私にとってのブライアン・イーノの「音」は、椅子や照明や床や柱と等価な、「興味深い」インテリアのひとつです。