人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

「ぼっち・ざ・ろっく!」 うっかり「お父さん目線」でみていました

昨年の秋アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」

 

うちにはテレビが無いので、いくつかの配信の機会に何度もみて、感動、というより、すべてのエピソードで2~3回軽く泣いていました・・・(笑)。

私もそうですが、ギターを弾く方やバンドを経験したことのある方はもちろん、そうでなくても、皆さん同じだったのではないでしょうか。

 

ピンポイントでツボに来る、あるあるのようなものが髄所に織り込まれていたり、演奏シーンの指の動きなど描写が丁寧で、アニメ制作の皆さんの誠実さや熱意が伝わってくる良質な作品だと思いました。

 

終盤でぼっちちゃんが購入したYAMAHAのパシフィカが売り切れてしまったのもわかります。(ずっと弾いていたGibsonレスポールカスタムはさすがに簡単には手が出せないですよね。)

それこそギター弾きの目からみて着目する点は多いのですが、途中で気づいて驚いたのは自分があの「お父さん」の目線で物語を見ていたということです。

終始顔の表情が描かれず、ぼっちちゃん(ひとり)の成長や活躍に打ち震えたり、涙を流している描写のみだった、あのお父さん。

 

初回「#1 転がるぼっち」の冒頭1:45あたりでお父さんが言った、「そうか、ひとりもついにギターに興味を・・・」で、すでに涙が(笑)。


「そうか、ついにギターに興味を・・・」

 

私が、いつか言ってみたいと願い続け、ついぞ言うことのなかったセリフ。

 

娘(万年反抗期)が赤ちゃんの頃から、漠然とですが、この子がいつかギターを弾いてくれたら・・・、一緒にギターを弾けたら楽しいだろうなと思っていました。

 

ぼっちちゃんのお父さんも、そんな夢を持っていたんじゃないかなと思います。

 

もちろん強制することはできませんので、家のいろんなところにさりげなくギターを立てかけたり、手が小さくても弾けるショートスケールのギターをその辺に置いてみたり、もちろん私も一日中ギターを弾いていて、知らず知らずのうちにギターに興味を持ってもらえるような姑息な「誘導」をしていました(笑)。

 


やはり、子どもの成長というのは親の思い通りにはならないようです。

というより、思い通りにしてはいけませんね。


娘(万年反抗期)も少し弾いていたこともあったようですが長続きはせず、今では全く別の芸術方面で好きなことを見つけ、そちらにばく進しています。

 

子どもは思ってもいない成長を見せるようで、結果、私など手にしたこともない賞状やトロフィーが家中にあふれています。

「ゴルフ好きなお父さんのいる家のリビング」みたいになってます(笑)。


ギター弾きにならなくて良かったのかも・・・。

いや、これで良かったんだ・・・よね・・・と自分に言い聞かせています。

それでも、youtubeなどで時々「お父さんの影響でギターを始めました」みたいな動画をみると、ちょっと泣けてきます。(諦めが悪い)