百人一首 54番歌
忘れじの
行く末までは
かたければ
今日を限りの
命ともがな
新古今集 儀同三司母(ぎどうさんしのはは)
儀同三司母は藤原道隆(みちたか)の奥様。
伊周(これちか)、定子(ていし)のお母様ですね。
(儀同三司は伊周の役職)
名家に生まれ、和歌や漢詩の才能にも恵まれ、その栄華を極めます。
このうたは道隆と出会った頃のもの。
「永遠の愛」なんて信じられないという、それこそ永遠のテーマですね。
道隆が病気で急逝すると道隆の弟・道長との権力争いに敗れ、後半生は一気に没落していきます。
微かな予感のようなものも、あったのかもしれません。
【現代語訳】
いつまでも忘れない
そんなあなたの言葉は永遠ではないよね
いっそのこと
今日を限りの命だったらいいのに
【適当英訳】(たぶんいろいろ間違ってます)
”I'll always remember you.”
Your words like that won't last forever.
I wish my life were only for today
このうたに触れるとき、
The Shirellesの ”Will You Love Me Tomorrow"が頭に浮かびます。
作曲はキャロル・キング。
作詞は当時のパートナー、ジェリー・ゴフィン。
Tonight you're mine completely
You give your love so sweetly
Tonight the light of love is in your eyes
But will you love me tomorrow?
”Will You Love Me Tomorrow"
words by Gerry Goffin
music by Carole King
幸福の中に潜む、微かな不安を繊細に描いた名曲ですね。
いつも思いますが、1000年の時を隔てても何も変わりませんね。
The Shirellesの ”Will You Love Me Tomorrow"
この曲は、なぜかタイトルに”still"が入ったり入らなかったりします。
本家Carole Kingの”Will You Love Me Tomorrow"
以前作った音楽
をリサイクル(2度目)して、このうたをのせてみました。
日本語の朗読は奥様にお願いし、適当に英訳したものは「音読さん」で読み上げてもらいました。
Will You Love Me Tomorrowのサビの部分を「本歌取り」で織り込みました。