人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

音楽

17歳の歳時記  祖母の中の少女

ずっと大切に保管しているものがあります。 表紙に1930と書かれた黒い手帳。 30年以上前に他界した祖母のものです。 祖母が17歳の少女だった頃の、一年間の日記が綴られています。 満州事変の前年、関東軍が暴走を始めていた頃。 直前にニューヨークの株式市…

英語で詠って ~「音読さん」を使ってみました

あてもなく英語を勉強しています。 ただの趣味のようです。 将来何かしらの原因で何処かしらに脱出する時は役にたつかな。 考えてみたら、英検とかTOEICのようなものを受けたことがありませんでした。 受検が目標になって良いのかなとも思いますが、自分の実…

「ぼっち・ざ・ろっく!」 うっかり「お父さん目線」でみていました

昨年の秋アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。 うちにはテレビが無いので、いくつかの配信の機会に何度もみて、感動、というより、すべてのエピソードで2~3回軽く泣いていました・・・(笑)。 私もそうですが、ギターを弾く方やバンドを経験したことのある方…

春を感じたら  ~優しいグルーブ”Breezin”

ジョージ・ベンソン の”Breezin”という曲をご存じでしょうか。 同名アルバム”Breezin”は、1976年、ビルボード誌のポップチャート・ジャズチャート・R&Bチャートで、いずれも全米首位に立った大ヒット作なので、耳にされたこともあるのではないかと思います…

「絶対時感」と ランディ・ローズ "Dee"

「絶対時感」的なものはお持ちでしょうか。 辞書には載っていませんが、絶対音感の時間版のようなものとして、あっても良いような気がします。 究極に暇なとき、突然「ストップウォッチぴったり止め大会」が開催されることがありますよね。 あれに必要なスキ…

70年なら一瞬の夢

子どもの頃から学校が苦手で(自分以外「親兄弟全員教師」の家でしたが)、組織というものに馴染めず、案の定、サラリーマン生活は10年もちませんでした。 30歳直前で辞表を出し、上司に居酒屋に呼び出され怒られましたが、その辞表は引っ込めませんでした。…

こんな雨の日に

今年はちょっと年明けから辛い日々です。 遠くに灯っていた道標が次々消えていきます。 覚悟していたとはいえ・・・。 世界で一番大好きな作曲家。 憧れのカッコいい大人。 Burt Bacharach。 akekurenote.hatenablog. www.youtube.com

天女を雲でとおせんぼ  「天つ風」 僧正遍昭

百人一首 12番歌 「天つ風」 僧正遍昭 [現代語訳] 天の風よ 天女たちが行き交う雲の通い路を 吹き閉じておくれ 乙女のその美しい姿を もう少しここにとどめておきたいから 作者は小野小町との百夜通いのエピソードがある僧正遍昭(そうじょうへんじょう)…

「天智天皇感」がゼロに・・・   [和歌に音を添えました]

百人一首 1番歌 天智天皇 (現代語訳) 秋の田の仮小屋にいると 屋根の苫の目が粗いので 番をしている私の袖は (あなたの来るのを待っている私の袖は) 露で濡れています (涙で濡れています) 人々に尊敬された天智天皇が農民の気持ちになって、稲を保管す…

部屋を漂う音の粒子  Ambient 1   Brian Eno [家と言葉と音楽]

アンビエント[ambient] 周囲の。大気の。環境の。 アンビエントミュージック[ambient music] 1970年代末にブライアン=イーノによって始められた環境音楽。人間を取り巻く外部環境の独特な雰囲気を表現するもの。 (三省堂 スーパー大辞林3.0) アンビエント…

トキワマンサクの救出と千億の命

トキワマンサクの子ども達が、いたるところで育っています。 特に生垣から落ちた種がたくさん育って側溝のあたりでニョキニョキ出てくるので、時々救出に向かいます。 ワンちゃんたちの「お小水」のターゲットになっている向きもありますので(笑)。 うちの…

A House Is Not A Home  /  Burt Bacharach    [家と音楽]

ハル・デヴィッド / バート・バカラックの名曲ですね。 A chair is still a chairEven when there's no one sitting thereBut a chair is not a houseAnd a house is not a homeWhen there's no one there to hold you tight,And no one there you can kiss …

「ずっと生きている」と思うことに・・・

ヒーローが一人また一人と旅立っていきます。 こどもの頃からコピーしまくり、レコードを聴きまくり、 自分も年齢を重ねてからは、そのアグレッシブさに驚嘆しつつ、 ずっと道標のような存在でした。 ようやく少し落ち着いてきましたが、 エディの他界もまだ…

壬生 忠岑と桑田佳祐  1000年の憂い

百人一首 第30番歌 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし 壬生 忠岑 古今和歌集 壬生 忠岑(みぶのただみね)。 平安時代前期の歌人で、三十六歌仙の一人。 逢瀬の翌朝、いわゆる「後朝(きぬぎぬ)の別れ」の切なさを詠んだうたで、藤原…

春の野 若菜 雪   透明度の高い清新な一首

百人一首に歌人として登場する天皇の中で、誰より親しみを感じるのは光孝天皇。 9歳で即位した先帝の陽成天皇と比べると、はるかに遅い55歳での即位です。 それだけ親王時代が長かったということですが、大変質素な暮らしをしていたようで、自炊をしていたと…

離れても、またいつの日か逢いましょう   崇徳院の祈り

不義の子として生まれ、父である鳥羽天皇に忌み嫌われ、政治の中枢から追いやられた挙句、保元の乱に敗れ流罪に。 亡くなったあとでさえも、都でおきる飢饉や大火を「崇徳院の祟り」だという噂を立てられるなど、崇徳院は数奇な運命に翻弄された悲劇の帝です…

「マチネの終わりに」を読んでガヴォット・ショーロ愛が復活

平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」は、美しい恋愛小説であるのと同時に、私にとっては一級の「ギターの物語」でもあります。 ギタリスト蒔野さんの運指の滑らかさ、音の一粒一粒が活字の間から伝わってきます。 序から最終章までサントラのようにギター…

もうすっかり冬ですが、美しい秋の名歌を

月見れば千々に物こそ悲しけれわが身ひとつの秋にはあらねど 大江千里 百人一首の中で私が最も美しいと感じるうたです。 板野博行さんの「眠れないほどおもしろい百人一首」(三笠書房)という本によりますと、白楽天のこの詩を翻案したものと言われているよ…

いにしへの歌詠みと相合傘を

小さな頃からギタリストか作曲家になりたいようでした。 特に作曲家(といってもポップスのですが)の方は、才能も環境もまるで恵まれていないうえ特段の努力もしないのに、憧れだけは強く、国内だったら筒美京平さん、林哲司さん、海外だったらキャロル・キ…