人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

満月は欠けているけれど

今夜は、ふたご座満月。 アメリカの農事暦ではビーバームーンと呼ぶそうですね。 ビーバーを捕まえるワナを仕掛ける時期という説、ビーバーがダムをつくり始める時期という説、様々あるようです。 お天気はどうかな。 月は美しいですね。 この世で最愛のもの…

The Show Must Go On

眼の具合が悪く、すべての作業はお休み。 朝早くからクイーンのアルバムを聴いていました。 ファーストアルバム、QUEENの一曲目「Keep Yourself Alive」からフレディ生前のラストアルバムINNUENDOの「The Show Must Go On」まで順に、途中ライブアルバムやフ…

ゆきのうた 静岡県民の見果てぬ夢 

静岡の真ん中あたりにある海辺のまち。 砂漠に雪が降ったとしても、ここには降りません。 ひと冬に数回、「風花」の舞う日はあります。 そんな日はみんなで表に出て、手をひろげ、「雪だよね!これ雪だよね!。」なんて言いながら、無理やり「雪」ということ…

家も根を張る

昔の写真データを時々整理します。 娘の赤ちゃんの頃の写真なんかを眺めていると日が暮れます。 我が家の赤ちゃんの頃の写真も出てきて、しばらく眺めていました。 久しぶりに会ったような気がします。 今は緑に覆われていてほぼ屋根しか見えないので、いろ…

家を、庭をapprivoiser(アプリヴォワゼ)する 「星の王子さま」から学んだこと

蚊が出なくなったので、久しぶりに庭のパトロール。 4本あったキンメツゲのうち、1本が枯れていました。 そこそこ日も当たるし、水も撒いていたのですが・・・。 枯れた一本だけは窓から見えない位置にあったのでした。 ですから、それにまったく気づきませ…

原始とか言われてるし

私の家、自分としてはモダンデザインを施したつもりなのですが・・・。 娘(イヤイヤ期継続中)の通う中学の男子は、この家のことを「平安」とか「縄文」とか呼んでおりました。 「江戸時代より前は大昔」みたいな雑な歴史認識。それが男子中学生。 以前ラジ…

「深夜に聴く曲は速い」問題

深夜にふと目が覚めて、あるいは起き抜けの早朝、手元のラジオやスマホで音楽を聴くと、すごくテンポが速いですよね。 ・・・・・速くありませんか。 ・・・・・ここは、一旦速いことにして・・・(笑) ただ仲間が欲しいだけの人。 ずっと昔からそのようで…

悲しい時にそっと始まった家づくりがありました

ハウスメーカーさんのCMは夢に溢れていますね。 若いパパ、ママと可愛いお姉ちゃんと弟さんが白い朝日を浴びて幸せそうです。 実のところ、家づくりは思ってもみなかった困難に直面したりして、つらいこともあったりします。 ですから、出会いから引き渡しま…

27歳のビーチクルーザー(←今日知った名前)

天気が良かったので自転車を洗いました。 27年前に仙台で買ったのでした。 27年も乗っている貧乏性。 記念に写真を撮って、グーグルレンズというのを押してみたら、「ビーチクルーザー」と出てきました。 そんな名前がついてたのか。 調べてみたら、ビーチク…

戦争の親玉 化学反応を起こした「逆替え歌」

「メロディーはそのままで歌詞を替えて歌う」のが替え歌ですが、その逆の、「歌詞はそのままでメロディーを替えて歌う」のは何て呼ぶんでしょうか。 それも替え歌なんでしょうか。 逆替え歌かな?。 そんな「逆替え歌」の傑作が、レオン・ラッセルの「戦争の…

環境に呼応する建築   とらや工房・安曇野ちひろ美術館

先日、御殿場の東山旧岸邸に伺ったのですが、同じ敷地内に「とらや工房」がありました。 www.toraya-kobo.jp 内藤廣さんの設計ですね。 なにやら行列ができていました。 皆様の会話によると「おこわ」かなにかの列のようでした。 行列がはけてから、お茶をい…

あのクリスマスソングはもう響かない

この夏、自分のなかでは大きな事件があって、子どもの頃からのアイドル、憧れていたミュージシャンのリスナーをやめました。 40年以上の時間とたくさんの思い出。 そんな日が来るなんて思ってもいなかったけれど、一瞬のことでした。 「推し」という言葉もあ…

その家を誰のために建てますか? 小さな家の由来記9

2023年11月4日 親のためか、子どものためか。 土地探しや設計のポイントをどこに置くかということなんですが、正解はたぶん無くて、「その時々、人それぞれ」かなと思っています。 私の場合、当時は「子どものため」でした。 長文が書けなくなってきたので、…

高校受験 シフトアップをした15の夜

友達が高校の募集定員の載った新聞記事を持ってきてくれました。 情弱ぶりをよくわかってくれています(笑)。 ありがたいです。 うちには受験生がいたのでした。 娘はマンガやアニメが大好きです。 できるだけ好きな事にはのめりこんでほしいので、勉強のこ…

生垣は見通し優先で

うちは角地にあります。 庭をぼんやり眺めていると、時々自転車どうしが衝突しそうになっているのを見かけます。 「自転車は左側通行」ということを守ってくれれば良いのですが、子ども達には通用しません。 高校生ぐらいになると、ノーブレーキはもちろん、…

敷居のカモフラージュ 東山旧岸邸

吉田五十八さん設計の東山旧岸邸の思ひ出を小出しに書いています。 他に見学者がいなかったこともあって、あれこれ質問しまくる私に、案内の方が熱心に説明してくださいました。 この建物への愛情をひしひしと感じました。 和室ゾーンに入る襖のところ。 テ…

東山旧岸邸の逆さ庭

御殿場にある吉田五十八さん設計の東山旧岸邸。 リビングテーブルの天板は鏡のよう。 庭の緑を映し出すように計算して天板を選び、配置したそうです。 逆さ富士のように庭が美しく映し出されます。 紅葉の季節にまた訪れたいと思います。 家の中に素敵な場所…

吉田五十八さん晩年の集大成  東山旧岸邸

同じ県内なのに行ったことのなかった、東山旧岸邸(静岡県御殿場市)に先日行ってきました。 吉田五十八(いそや)さん、晩年の集大成です。 東山旧岸邸は、首相を務めた岸信介の自邸として1969年に建てられ、現在は登録有形文化財に指定されています。伝統…

ニュースから一旦離れて、自分のご機嫌取りを

うちはテレビがないので、マスメディア的なものはラジオのみです。 夕飯の時など、ラジオをつけているのですが、恐ろしいニュースがはじまると速攻でパチンと消します。 愛川欽也さんの「ハイ、消えた!」(「なるほど!ザ・ワールド」より)並みに速いかも…

逃げる 勇敢な臆病者

両親がまだしっかりしていた頃、よく聞いた話があります。 多少「盛る」傾向があるので(笑)、話半分に聞いていたというか、ひょっとしたらデタラメかもしれないのですが・・・。 こんな話でした。 いま私の名乗っている名字は、もともと(音は似ているので…

早いのか 遅いのか  さよならフィーチャーフォン

フィーチャーフォンってどういう意味ですか?(笑)。 ずっといわゆるガラケーというものを使用しておりました。 3Gのもので、とうにメールやら何やら使えなくなっていまして、 純粋な携帯電話になっていました。 というより、ほぼ単なる目覚まし時計でした…

光が円柱を撫でるとき

季節ごと、日ごと、折々様々な光が家にやってきます。 信じられないほどの強烈な朝日が差し込む東の窓。 天窓から入り込んで、ロフトの床で跳ね返り、 家じゅうを駆けまわる光。 デッキに反射して、それが化粧天井を照らし、 その反射がまた床を照らし・・・…

光のオルガン  宮沢賢治「告別」

うっかり醜悪な茶番をみてしまいました。 記者会見とされてはいましたが、 確かにそれは茶番劇でした。 楽しいこと、美しいもの、 音楽とかエンターテインメントってなんだっけ・・・。 すっかり具合が悪くなってしまいました。 これが嫌でテレビを捨てたの…

気があること まだ知られたくない  平 兼盛

百人一首関連の逸話でよく紹介されるものに、 天徳4年(960年)、村上天皇の内裏歌合(だいりうたあわせ)のエピソードがあります。 平 兼盛(たいらのかねもり)の「忍ぶれど・・・」 壬生忠見(みぶのただみ)の「恋すてふ・・・」 この2首が競ったとき…

トレジャー・ヴォイス  松本伊代さんのセンチメンタル・ジャーニー

先日、近くで松本伊代さん、早見優さん、森口博子さんのコンサートがあったので行ってきました。 いかにも「ふらっと寄ってみた」みたいに書いてますが、チケット発売日の発売時刻に時報を聞きながらenterキーを叩いて予約しました(笑)。 知り合いに見つか…

いただきものの収支を忘れるとき

故郷に戻ってきて十数年、この家を建ててからも8年。 それまでずっと都会暮らしをしていたので、 生まれ故郷とはいっても田舎ならではのものに馴染むのに時間を要しました。 お祭りや回覧板や個人情報のまわるスピードや・・・。 なかでもずっと手こずってい…

標高900mの並行世界 小さな家の由来記8

2023年9月19日 土地探しの中で、希望や条件に合い一旦購入を決意したものの、事情があって話が流れてしまうことってありますよね。 そんな土地を、ずいぶん経ってからこっそり見に行った経験はありますでしょうか。 何故かわからないのですが、私は時々そう…

色・サクラブレンド 光のどけき春の日に

ようやく朝晩の風に秋の気配を感じるようになってきた今日この頃。 春のうた、桜のうたの話題は季節外れも甚だしいのですが、紀友則の桜の名歌に音をつけてみました。 考えてみたら、今年の春、百人一首のなかの春のうたにあわせて曲を作る作業を集中的にや…

ふりゆくものは わが身  帰り道のうた

夏の疲れや何かでぼんやりしており、図面も描かずに、いつも読んでいる百人一首の本を眺めたりしていました。 百首のうたは大きく、「月のうた」や「春夏秋冬のうた」、「恋のうた」などと分類できますが、「花のうた」もいくつかありますね。 夏から秋に向…

子どもを大切にする世界

一年前、9月最初の月曜日、近くの幼稚園のバスで胸がつぶれるような事件が起きました。 小さな子どもを守れないような社会に何の価値があるでしょうか。 その日、その時間帯、私は何も知らず、家で扇風機にあたりながらアイスコーヒーか何か飲んでいました。…