人と栖と

小声で語る 小さな家と本と音楽のこと

建築

外壁のランダムウォーカー

我が家の外壁は「渋墨」という、柿渋とお酒と松煙を混ぜたもので塗装しています。 akekurenote.hatenablog.com 私がやや化学物質過敏症ぎみなこともあって、あまり強力な塗料ではなく、このようなソフトなものを使っています。 ソフトといっても相当な雨風に…

おしくらガーデニング

たいした根拠はないのですが、庭の木はある程度密に植えた方が良い気がしていました。 一刻も早く木陰をつくりたい(酷暑対策)、とか防風林(西風対策)に育てたいとか、実利的な目的もあるのですが、おしくらまんじゅうをしているように、賑やかな方が元気…

豪雨の夜に ~屋根の爆音とギターの爆音と

自宅の屋根は何の変哲も無い、ごく単純な寄棟です。 それでも設計には、大変なエネルギーを注ぎました。 構造と意匠、それから機能と雨仕舞。 日本は雨の国、そして日本建築は屋根の建築だと思っているので、設計の労力の半分は屋根の納まりのために費やしま…

グルメなヒヨドリ

庭のジューンベリー。 毎年、ヒヨドリとの収穫競争になります。 今年も「ヒヨドリ初日」は大量に持っていかれました・・・。 「少しとっておいてね」の声掛けがきいて遠慮したのか、それからあまり採りに来なくなってしまったようです。 おかげで毎日少しず…

幸せの音

ここに越してきた頃、高校生だったお向かいのお姉さん。 いつのまにか結婚して里帰り出産をされたようです。 時の流れが急加速しております。 気をつけなくてはなりません。 開いた窓から風に乗って可愛らしい声が聞こえてきます。 元気いっぱい泣く赤ちゃん…

ルーペでお花見【地味注意】

なんだかんだと理屈をつけて、もじゃもじゃの庭(ナチュラルガーデンとも言います 笑)に「あえて」している風な雰囲気を出していますが、本当は花の咲き乱れる庭に憧れていたりします。 イギリスのファンタジー「トムは真夜中の庭で」(なんて美しいラスト…

緑陰と微気候 天然のクーラー

雑誌に載っているような、おしゃれな雑木の庭をつくるつもりでした。 「つもり」というのは、全然そうなっていないからで・・・笑。 この地域の夏の強烈な日差しと、冬の強烈な西風を恐れるあまり、密集した「雑木の森」にしてしまいました。 夏は日差しに照…

黒い外壁 無垢の板壁

ひと頃よりは減ったような気がしますが、黒いガルバリウムを張った新築住宅をよく見かけます。 うちも遠目には黒ガルバリウムのようにみえますが、無垢の杉板を張って黒く塗装しています。 杉板は150×15の縦張り。押縁でおさえています。 「焼杉ですか?」と…

ジューンベリーとヒヨドリと

ジューンベリーが少しずつ色づき始めました。 いや、別に一粒たりともあげないなんて思っていませんよ。 半分ずつ、何なら9割差し上げてもいいですから、少しだけ残しておいてくれたらいいんです。 赤く熟れたジューンベリーをヒヨドリさんが根こそぎお持ち…

地球の上に生きる 

アリシア・ベイ=ローレルさんの「地球の上に生きる」は、ずっと大切にしている本です。 まえがきの一部をご紹介します。 工場で生産される消費物質になるべく頼らないようにすれば、わたしたちは静かな暮らしができるはずです。体には活力がみなぎってくる…

だんだん森になっていく

元々は森の中に住むつもりでした。 八ヶ岳山麓、標高900メートルの森の中。 いろいろあって土地を手放し、静岡の平地に住むことに。 今度は海抜7メートルです!。 高原をわたるあの風は吹きません・・・。 静岡の今の敷地では、ちょっと品のある雑木の庭をつ…

炭焼きレストラン「さわやか」と帰ってきた座敷わらし

先日、地元の超優良炭焼きレストラン「さわやか」に行ってきました。 歩いて行ける距離に「さわやか」がある幸せ!。 静岡県内限定とはいえ大きなチェーン店なのに、地元の人に愛される小さなお店のような温かさがあります。 画像は公式ホームページからお借…

雀のこと

縁側に雀が横たわっていました。 いつからそこにいたのか・・・、まったく気づきませんでした。 今回は大きな音はしなかったので、バードストライクではないような気がします。 雨風が強かったので、軒下に逃げて、そこで力が尽きたのかもしれません。 随分…

UNBUILTの建築 未完の夢幻

建築に興味をお持ちの方であれば、どこかでUNBUILT(アンビルト)という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。 設計・構想されたものの、未だ建てられていない、建てられなかった建築。 古今東西、多くのUNBUILTの建築が図面やパース、模型などとして…

小声主義 「琥珀のまたたき」小川洋子

小さな頃から喉が弱く、あまり大きな声が出せないようでした。 喧噪の中では声が通りにくく、難儀します。 居酒屋のようなざわついた場所での会話は苦手で、可能であれば個室に移りたくなりますし、大人数の立食パーティーのようなところでも会話が成立せず…

小さな家のレコード  「あなた」小坂明子

はじめて買ったシングルレコードは、小坂明子さんの「あなた」でした。 作詞・作曲は小坂明子さん、編曲は宮川 泰さん。 発売は1973年の年末。買ったのは翌74年。 50年も経ってるんですね。 どれほど聴いたか・・・。 小さな頃、レーベルに描かれた芋虫がぐ…

謎データを発掘する「羞活」

「良い感じの空き地」を見つけると、頭の中で勝手に建築をつくり、それだけでは飽き足らず、図面とパースを描き、誰に見せることもなく、ハードディスクの奥深くにしまい込み、そして忘れる。 頼まれてもいないのに、勝手にロゴをデザインしたり商品企画をし…

薄氷のルーフトップ・コンサート

小学生の頃、はじめて買ったLPはビートルズの「LET IT BE」。 当時、自分のアルバムは一枚しかなかったので、こればかり聴いていました。 最初に見たものを親だと思ってしまうように、私にとっては「LET IT BE」がビートルズ。 その後さまざまな音源や映像で…

門司港とアルド・ロッシ

先日、太宰府天満宮にお参りしたので、そのまま足を延ばして門司港に行ってきました。 目的の一つはアルド・ロッシ設計の門司港ホテル。(現 プレミアホテル門司港) インテリアデザインは内田繁さんです。 アルド・ロッシは1931年生まれの、イタリアの建築…

受験なので太宰府天満宮へ

今年、娘が受験で、太宰府天満宮にお参りしたいというので行ってきました。 はやくも神頼みのようです。 旅行や仕事で随分あちこち行きましたが、何故か九州にはご縁がなく今回が初めての九州となりました。 とにかく、元気があって人が優しく、自然が豊かで…

緑の儘に

家を建てるために土地探しをしていた頃。 並木の綺麗な通りがあって、こんな所に住めたらいいなと思って売地を探していました。 ところがある日、その並木が一本残らず伐採されていました。 不動産屋さんに訊くと、落ち葉の掃除でみんな困っていたとのこと。…

紅白の生垣になるはずが・・・

生垣のトキワマンサクがピークのようです。 本当は紅白の縞模様になるようにしたつもりでした。 植込みの作業の時は、ベテランの植木屋さんに一本一本確認。 「うん、これは赤だね。」 「こっちは白だ。」 なんて、貫禄たっぷりに指示してもらって紅白交互に…

花の生垣がほぼ完成しました

トキワマンサクの花のエリアが徐々に広がり、花の生垣がだいたい出来上がりました。 この時期の庭が一番のお気に入りです。 大滝詠一さんの「ペパーミント・ブルー」という曲に、こんな詞があります。 斜め横の椅子を選ぶのは この角度からの君が とても綺麗…

小さな家の本

我が家は24坪の小さな家です。 もとより大きな家を建てる「元手」も無いのですが、建築の勉強を始めた頃に出会ったこの本の影響も大きいようです。 「小さな森の家」。 「吉村順三建築展」に行った帰りに買ったものです。 本にはチラシと一緒に、その日上野…

木の花が急に咲き始めました

花粉症が酷く、外に出ないようにしているうち、庭木の花が急に咲き始めていたようです。 今年は少し早めです。 トキワマンサクの赤と白。 花を咲かせるために栄養を与えてしまうのか、花の時期は葉が変な(笑)色になります。 うちはトキワマンサク率が高い…

窓掃除とバードストライクのこと

うちには南側に3枚のFIX窓と一枚の木製引き戸があって、いずれも大きなペアガラスが入っています。 いつもそこから庭の景色をぼんやり眺めているのですが、ガラスにピントを合わせてみると、そこそこ汚れています(笑)。 時々適当に拭き掃除はしますが、ピ…

縁側の風景 「満願」太宰 治  [家と本]

我が家は南と西にぐるっと縁側を廻しています。 外壁より外の軒下空間にある縁側なので「濡れ縁」ですね。 ちょっとだけ、ミース・ファン・デル・ローエのファーンズワース邸を意識してデザインしたのですが、誰も言ってくれないので自分で言いました(笑)…

サワラカなサワラのお風呂  [家と言葉]

[サワラ(椹)]ヒノキ科の常緑樹でしばしば30~40メートルの大高木になる。山林中に自生するが、植林したり、また生垣や庭木として植栽されている。 (中略)ヒノキ、アスナロ、クロベ、コウヤマキとともに「木曾の五木」とされるが、建築材としてはヒノキに…

記憶を刻む小さな椅子  それから家づくりのこと

娘が赤ちゃんの頃、九州の作家さんにウォールナットの小さな椅子をつくってもらいました。 手作り家具 木工房シンプル 普段使いの家具を作ります 福岡県北九州市 はじめは真っ白だったのが、年月を経て良い色になりました。 汗や涙や様々なもの(笑)が染み…

杉・杉・杉・杉・檜・檜

8分の7拍子という変拍子の曲を演奏するとき、私は頭の中で「杉・杉・杉・杉・檜・檜」と言ってカウントをとっています。なかなか便利です。 (ちなみにピアニストの上原ひろみさんは「品川・品川・田町・田町」とおっしゃっていました。 笑) くしゃみが止…